トヨタ自動車グループの豊田合成(愛知県清須市)が、市場が急成長するインドでの生産体制を強化している。車の安全基準の引き上げに伴うエアバッグの受注増に加え、電動化シフトによる軽量化部品の需要拡大を見込む。共に得意とする分野で、二月八日に現地で開幕する国際モーターショーに初出展し、技術力を発信する。
インドの自動車生産台数は二〇一六年に約四百万台。二〇年には六百万台に迫り、いずれは日本、ドイツを抜いて中国、米国に次ぐ世界三位になるとみられている。
一方、交通事故死者数は世界ワーストで、年間十四万人に上るとの統計もあり、政府は昨年秋から車両の前面衝突試験を導入。この基準が段階的に厳しくなるため、運転席と助手席のエアバッグ装着が実質的に義務化される見通し。さらに排ガス対策で電気自動車(EV)の普及も推進しており、トヨタとスズキは二〇年をめどにEVの現地販売に乗り出す。
豊田合成は一九九八年にインドに初進出し、現在は西部グジャラート州に現地で五カ所目の工場を建設中。今年秋にも完成し、インド市場トップのスズキにエアバッグなどを供給する。
豊田合成はインドでの売上高を一六年度の約百四十億円から、五年後の二一年度に一・四倍の約二百億円まで増やす計画を立てている。来月の同国最大の国際モーターショー「オートエキスポ」では、エアバッグなどの安全技術をPRするほか、燃料をタンクに給油する配管など軽量化した樹脂・ゴム部品を展示する。軽量化した部品はエンジン車の燃費向上やEVの走行可能距離の延長につながるとして、現地メーカーなどへ売り込みを図る。
宮崎直樹社長は「インド市場の潜在性は非常に高い。重点地域として現地の需要に応えていく」と話している。
アールエイチ産業医事務所
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