百貨店のバレンタイン商戦で期間中の売り上げが日本一とされるジェイアール名古屋高島屋(名古屋・名駅)の特設売り場が十九日にオープンする。松坂屋名古屋店(栄)は一足早く売り場を開いており、二月十四日のバレンタインデーに向けた商戦が本格化。各社とも地場食材を使ったチョコなど工夫を凝らしたスイーツを売り出している。
高島屋が十八日に名古屋市内のホテルで開いた開幕セレモニーには、パリを拠点に活動する青木定治さん(49)や石川県七尾市出身の辻口博啓さん(50)ら世界の第一線で活躍する菓子職人十人が集合。名古屋限定の新作などお薦め商品をアピールした。十八日は先行販売があり、限定品を求める大勢の客でにぎわった。
各ブランドの新作は日本の食材を用いて和風を取り込んだ洋菓子が目立った。辻口さんのブランド「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」は三重県産のマイヤーレモンを粒チョコに使用。シェ・シバタ(岐阜県多治見市)は、さんしょうやシイタケを用いたチョコを用意した。長野県産のゴマで味付けしたチョコを出したゴディバのヤニック・シュヴォローさん(47)は「抹茶やユズなど日本食材は魅力的。世界中でトレンドになり逆輸入されているのでは」と話した。
一足早い十七日に特設売り場をオープンした松坂屋は、高島屋の百五十に迫る百三十一のブランドが出品。女性の菓子職人に焦点を当て、名古屋市北区の人気洋菓子店「カフェタナカ」の田中千尋さん(47)らがブースを構える。ソフトクリームをチョコレートで覆った「ショコラディップショコラ」(五百四十円)は、その場で味わえる。
三十一日から催事を始める名古屋三越栄店(栄)は、地下一階に昨秋オープンした海外の人気店のチョコ詰め合わせのほか、愛知県設楽町の関谷醸造の地酒を加えたガナッシュなど、地場産業と共同開発した商品をそろえた。名鉄百貨店本店(名駅)は、名駅周辺のオフィスが近い百貨店の立地から、職場向けの義理チョコにしやすい千円前後の商品を多く集めた。
◆「逆チョコ」32%が経験
バレンタインデーに男性から女性にチョコレートを贈る「逆チョコ」が広がっている。ジェイアール名古屋高島屋(名古屋・名駅)のホームページでのアンケートでは、男女約3000人のうち32%が「逆チョコをあげたことがある」または「もらった」と答えた。担当者は「遠距離恋愛の彼女に贈ったり一緒に食べたりするのでは」と分析する。
また9割以上が自分用のチョコを購入することも判明。予算は半数近くが1万円以上で、女性が自分好みの高級チョコを購入する傾向が高まっている。高島屋の担当者は「自分でチョコを買って楽しむイベントに変化している。大学生など若い男性だけのグループも確実に増えた」と話しており、バレンタインは女性客だけを相手にした商戦ではなくなっている。
アールエイチ産業医事務所
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