本格的な降雪シーズンを前に、中部国際空港と東海道新幹線で、新たな雪対策が始まった。雪は航空機や列車の安全に直接的に影響を及ぼす上、ひとたび止まれば広範囲に影響が出てしまう。中部の足を守る備えが進んでいる。
中部空港の除雪車は計五台。金属製ワイヤでできたブラシが回転し、誘導路や滑走路の雪を削り落とす「スノースイーパー」が二台と、金属製の板で雪を横に押しのけながら、凍結防止剤をまく「プラウ付き凍結防止剤散布車」が三台。通常はスノースイーパー一台が先導し、その後ろに散布車三台がV字形の隊列を組んで走行し、全幅六十メートルの滑走路上の雪を取り除く。
中部空港では今年一月十四日、開港以来最大となる七センチの雪が積もった。スノースイーパーの不調も重なって計七十六便が欠航した反省から、空港会社はスノースイーパーを一台増やした。降雪に備え、十一月中旬から空港会社子会社の社員が、深夜の離着陸が少ない時間帯に、滑走路を時速四十キロで走行する訓練を重ねている。
また、国土交通省大阪航空局や航空会社と連携できるよう、図上訓練も実施。降雪予報が出てから、実際に雪が積もった後の対応までの手順をシミュレーションしている。空港会社で空港運用本部長を務める舘剛史常務は「除雪の不備で運航を止めることのないよう、日ごろから訓練に取り組んでいる」と話す。
一方、JR東海は営業運転中のN700系一編成で進めてきた新たな着雪防止対策を三編成に拡大し、検証を本格化させる。走行中に雪を巻き込みやすい先頭車の台車カバーの形状を見直すほか、車体下部にヒーターを取り付け、巻き込んだ雪を溶かして固着しないようにする。
三編成を含めた一部編成の床下や雪の多い新大阪-岐阜羽島間の線路上に既に取り付けた監視カメラの映像を精査し、対策の効果を検証。有効性が実証されれば、来年三月の完成を目指す東海道新幹線の新型「N700S」への導入を検討するという。
アールエイチ産業医事務所
0コメント