インターネット上で個人同士が中古品を売り買いするフリーマーケット(フリマ)アプリが普及する中、コメ兵(名古屋市)が提供する真贋(しんがん)判定機能付きアプリが注目されている。中古ブランド品の個人間の売買に付きまとう「偽物かも」という不安を取り除いてくれるのが最大の特長だ。中古品を買い取る百貨店もあり、高額品の中古市場では「信頼」が流通活性化のキーワードになっている。
全国の店頭で買い取ったブランド品が集まる名古屋市内のコメ兵商品管理センター。十一月から始めたフリマアプリ「カンテ」で売買されるバッグや時計の真贋をコメ兵の鑑定士が見極める。「シリアルの刻印の入り方や革の質感などに違いがある」とバッグ担当の坂田征裕さん(36)は話す。
「カンテ」は、売り手側が商品の写真と希望価格を掲載し、買い手がつけばオンライン決済する仕組み。購入者が鑑定を依頼すると出品者が商品をコメ兵に送る。本物なら購入者に配送され、偽物は出品者に送り返される。アプリ上の写真と商品の状態が懸け離れた場合なども、決済が取り消される可能性がある。コメ兵は取引価格に応じて10~15%の手数料を得る。
同社の調査によると、二十代以上の男女のうち、ブランド品の個人間売買を不安に思う人は七割に上る。商品の真贋や状態が不明な点や「本当に届くのか」といった疑いが主な理由だ。「カンテ」にはバッグを中心にこれまで三千点が出品され、購入者の八割が鑑定機能を利用した。
「カンテ」には商品が長期間売れなかった場合、コメ兵が査定した金額を出品者に提示して買い取り、店頭やネットで販売する仕組みもある。担当者は「買い手と売り手の双方が安心して使えるため、高額な商品の取引も成立しやすい」と話す。
直接会って買い取るサービスでも「信頼」は欠かせない。名古屋三越栄店(名古屋・栄)は十月、買い取り相談窓口「ハグオール」を店内に開設。富裕層や中高年には中古品売買に不慣れな客が多いが「百貨店だから安心して相談できる」と人気だという。同店の担当者は「買い取り業者などに不安を抱き、不用品を売れずにため込んでいる場合も多い」と指摘する。
ハグオールは百貨店を専門に出店し、三越伊勢丹ホールディングスでは全国で五店目。年内限定の予定だったが、好評のため来年二月ごろまでの期間延長を決め、常設化も検討している。
アールエイチ産業医事務所
0コメント