年明けに株価の上昇が続く中、景気回復が本物かどうかは個人消費の足取りが鍵を握る。中部地方の流通各社に初売り商戦の手応えを聞いた。
名古屋市内の百貨店はおおむね上々の滑り出しだったようだ。ジェイアール名古屋高島屋では、昨年四月に開業した高島屋ゲートタワーモールが初めての初売りを迎え、二日の開店時に来店客は合計一万人を超えた。化粧品や婦人服の人気ブランドなどの福袋がすぐに売り切れたという。
松坂屋名古屋店にも二日の開店時に一万一千人が押し寄せ、前年の一割増の客足。名古屋大研究者の実験を体験できる子ども向け福袋など「コト消費」型の福袋に人気が集まった。六月末で閉店する丸栄には、最後の福袋を手にしようと午前中に四千人が来店した。
名古屋三越栄店は、働き方改革から二年連続で初売りを三日に遅らせたが、冬物セールの開始を今月中旬から前倒しし、三日の売り上げが前年比三割増。昨年末に宝飾品など高額商品が売れだした流れが続いているとみられ、広報担当者は「景気の上向きを多少実感している」と個人消費の盛り上がりに期待する。
現金一万円を支払って最大十万円の買い物券が当たる恒例の抽選会を二日に実施した名鉄百貨店本店は、二日は好調だったが三日に苦戦し、二日間の売り上げは例年並みだった。
小売り現場の浮沈は天候にも左右されやすい。正月三が日は好天に恵まれた一方で冷え込みが厳しく、総合スーパーのユニー(愛知県稲沢市)では、毛布や布団の売り上げが一割増。ドラッグストアのスギ薬局(同県大府市)では、カイロが陽気だった前年の五割増しで売れ、「初詣などで外出する際に購入する人が多かったのでは」(広報担当者)とみる。
食品スーパーのマックスバリュ中部(名古屋市)では三が日は例年より苦戦し、担当者は「天気が良かった分、外食する人が多かったのではないか」と話した。
アールエイチ産業医事務所
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